2026/01/16

生活と、道具としての服。|第2回「『普通』の素材が持つ、本当の強さ」

CAPE COD CLOTHING STORE の店主です。

洋服屋を開業して30年。57歳になった今、自分が店に並べているもの、そして日々身に纏っているものについて、改めて言葉にしてみたいと思いました。

これは、ファッションというよりは、僕の「生活と仕事」の記録のようなものです。全5回に分けてお届けします。

第2回は、今のマーケットと「素材」について感じていることを綴ります。

少しの間、お付き合いいただければ幸いです。


昨今のインフレも相まって、あらゆる「モノ」の価格が上がっている。

 恥ずかしながら、そのスピードに少しついていけない自分がいる。 今の服のマーケットは、手の届かないような「ハイファッション」と、割り切った「ファストファッション」の両極端に分かれているように見える。 その真ん中で、僕らがずっと大切にしてきたブランドが、どこか苦戦しているようにも感じる。 

最近のトレンドは、形こそ昔ながらの定番をなぞるけれど、それをカシミアや高級なリネンといった高価な素材で仕上げる手法が目立つ。 けれど、個人的には「カシミア」より「ラムズウール」の方が性に合う。 高級なリネンよりは、ベタなオックスフォードやシャンブレーがいい。 

「高級素材だから長く使える」というのは、どこか「まやかし」のような気がしてならない。 実際のところ、ベタな生地との耐久性の差なんて、さほど大差はないはずだ。 

結局のところ、人は使い切る前にその「モノ」に飽きてしまう。 シルエットの賞味期限やトレンドの移ろいによって。 

若いほどその変化に敏感で、歳を重ねるほどに鈍感になる。 

でも、それはそれで幸せなことかもしれないな、とも思う。 

僕の生活と、今のトレンドの服たちの間にある、どうしても埋められない溝。 仕入れに悩んだ時、僕はいつも、ある一冊の本を手に取る。

(第3回「『使われること』を待っている形」へ続く)

 


Today's Setup
  • Tool Bag: WORKERS (2017 Release / Final Version without rivets)

  • Tote Bag: THE STANDARD MANUAL (Original Logo Tote / Daily essentials for sourcing and errands) 


Supplement|生活の道具について

Tool Bag (WORKERS) ワーカーズのツールバッグは2017年モデル。リベットのない最終バージョンです。 長く使う中でぐらつきの出るリベットをあえて排除したこの形こそが、道具としての完成形だと感じています。硬い6号帆布は、使い込むほどに馴染む。まさに「生活の痕跡」を刻める最高の一品です。

Tote Bag (THE STANDARD MANUAL) 福岡の雑貨屋さんのオリジナル。内ポケットすら排除した、潔いシンプルトートです。 程よい肉感で、洗ったタオルの運搬やスーパーでの買い出しに。こうした「なんてことない布帛のトート」は、探すと意外に良いものが見つからないものですが、これは本当によく出来ています。

SHOP INFORMATION

「生活の痕跡」を刻めるような、丈夫で誠実な道具としての服をセレクトしています。店の奥では、夕方から「Backyard Bar」を営んでいます。グラスを傾けながら、あるいは棚を眺めながら。静かな時間をお過ごしください。


 Address: 鹿児島市加治屋町1−9 第二柿本寺ビル

Cape Cod Clothing Store [14:00 - 19:00] Instagram: @capecodstore 

Backyard Bar [14:00 - 1:00] Instagram: @backyardbarkagoshima

 Online Store: https://capecodstore.thebase.in/ 




2026/01/15

JACKMAN "BN Umps Pants"




<CMF OUTDOOR GARMENT >

25FW【シーエムエフ アウトドア ガーメント】入荷しました。

オンラインショップにUPしました。

公式オンラインショップ
CAPE COD CLOTHING ONLINE STORE

楽天市場店


球審の腰回り、その無駄のない機能美から着想。

乾いた質感の米綿×豪州綿をバックネップに織り上げ、ネップの表情は残したまま、シルケットはかけずに自然で上品に仕上げている。

ハリとコシを出す硬仕上げで、防風性と形状安定性も確保。

腰回りはゆったり、裾に向かって強めのテーパー。

動きやすくて、野暮にならない。

大人が日常で選ぶ、実用のかたちだ。

 

Inspired by the silhouette of a baseball umpire.

Back-nepped fabric made from a blend of American and Australian cotton, woven for strength and character.

No mercerizing—just natural texture with a refined finish.

Firm yet flexible, wind-resistant, and stable after washing.

Relaxed at the waist, sharply tapered toward the hem.

Practical, balanced, and quietly confident.


〒892-0846 鹿児島市加治屋町1-9 第二柿本寺ビル 1F
Tel:099-239-1515

ケープコッドクロージングストア 
公式インスタグラム: Cape Cod Clothing Store Instagram

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2026/01/12

生活と、道具としての服。|第1回「駅ビルで見つけた、遠い国の服のこと。」


CAPE COD CLOTHING STORE の店主、榊です。

洋服屋を開業して30年。57歳になった今、自分が店に並べているもの、そして日々身に纏っているものについて、改めて言葉にしてみたいと思いました。

これは、ファッションというよりは、僕の「生活と仕事」の記録のようなものです。全5回に分けてお届けします。少しの間、お付き合いいただければ幸いです。


先日、用事があって久しぶりに駅ビルの大きなセレクトショップを覗いてみた。 フロアを一周してみると、そこには整然と、非の打ち所がないほど「よく出来た服」が並んでいる。今の空気感を掴むのが本当に上手いな、と正直に感心した。否定するつもりなんて毛頭ないけれど、鏡に映る自分の姿を想像したとき、どこか遠い国の出来事のように感じてしまったのも事実だ。

僕の一日は、朝、店のシャッターを開けることから始まる。 午前中はオンラインショップの出荷作業。昼過ぎには仕入れや雑務で、街を自転車で移動する。夕方になれば、店の奥にある「Backyard Bar」の仕込みが待っている。重い酒瓶を運び、カウンターを拭き、夜が深まればグラスを洗う。

結局、僕の一日はずっと、デスクワークとバーカウンターでの立ち仕事。 ブルーカラーとホワイトカラーが混ざり合ったような、そんな日常だ。 そうなると、服に求めるのは「デザイナーの思想」よりも「道具としての馴染み」になる。

駅ビルで感じたあの小さな違和感。 それは、今のマーケットが抱える、ある「まやかし」に繋がっているのかもしれない。

(第2回「『普通』の素材が持つ、本当の強さ」へ続く)


Today's Setup(最近はこんな格好です。)

  • Vest: CMF OUTDOOR GARMENT "ALPHA DIRECT SIMPLE VEST"

  • Shirt: Chambray Work Shirt

  • T-shirt: 1 Pocket White T-shirt

  • Pants: Fine Corduroy Easy Pants

  • Shoes: DANNER "Military Trainer"


SHOP INFORMATION

「生活の痕跡」を刻めるような、丈夫で誠実な道具としての服をセレクトしています。店の奥では、夕方から「Backyard Bar」を営んでいます。グラスを傾けながら、あるいは棚を眺めながら。静かな時間をお過ごしください。

Address: 鹿児島市加治屋町1−9 第二柿本寺ビル ■ Cape Cod Clothing Store: 14:00 - 19:00  Instagram: @capecodstore ■ Backyard Bar: 14:00 - 1:00  Instagram: @backyardbarkagoshima ■ Online Store: https://capecodstore.thebase.in/ 

2025/12/05

CMF OUTDOOR GARMENT "ALPHA DIRECT SIMPLE VEST"

 






<CMF OUTDOOR GARMENT >

25FW【シーエムエフ アウトドア ガーメント】入荷しました。

オンラインショップにUPしました。

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街でふつうに着られるアウトドア。

CMFのアルファダイレクト・プルオーバーベストは、そのちょうどいいバランス。
軽くて、あたたかくて、無駄がない。
シャツの上でもスウェットでも、さらっと着るだけで雰囲気が出る。
BLACK、WOLF GRAY の安定感に、サーモンピンクのちょい遊び。
冬のレイヤードがちょっと楽しくなる。


A lightweight pullover vest made with Polartec Alpha Direct.
Warm, breathable, and effortlessly minimal.
Layer it over a tee, a shirt, or a hoodie—
it simply works with whatever you’re wearing.
Available in Black, Wolf Gray, and Salmon Pink.

〒892-0846 鹿児島市加治屋町1-9 第二柿本寺ビル 1F
Tel:099-239-1515

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2025/11/29

WORKERS "Deluxe Tote Bag"

       






<WORKERS >

25FW【ワーカーズ】入荷しました。

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トートバッグって、結局「誰が、どう作るか」でぜんぜん顔が変わる。
WORKERS の今年のデラックストートは、その最たる例だと思う。

サイズは34×16×31。
いわゆるMサイズだけど、手持ちの短いハンドルが効いてる。
ロングハンドルも検討したらしいけど、幅が狭くてどうにも落ち着かない。
だから潔くカット。外ポケットもナシ。
中途半端に“便利そう”を目指すより、使いやすい形を貫いた感じだ。

配色のハンドルに底と同じ生地をのせ、二本針のミシンで走らせる。
このあたり、やっぱり日本の工場の仕事って綺麗。
北関東の工場まで足を運んだっていうのも、WORKERS らしい。

6号帆布の18.9オンス。11号帆布の12オンス。
本家(あのブランドね)よりちょい軽いけど、規格が違うから同じにはならない。
でも、日本の番手で、本家に迫るものを作る姿勢はすごく好感が持てる。
縫製の綺麗さは完全に勝ってるし。

国が違えば仕上がりも違う。
その差を、そのまま楽しめるトート。

A tote that feels better the more you use it.
Sized at 34×16×31cm — a clean, medium shape with a short handle made only for hand carry.
No long straps, no outer pockets.
Everything unnecessary was cut, leaving only what truly works.

The handles use a contrast color, layered with the same fabric used on the bottom.
Double-needle stitching keeps every line sharp — the kind of precision only a Japanese factory can achieve.

The body is made from No.6 canvas (18.9 oz), the bottom from No.11 canvas (12 oz).
Lighter than the American original, but not trying to imitate it.
Japan and the U.S. use different weaving standards, and that difference becomes part of the design.

The result is a tote that blends Japanese clarity with American toughness.
Two cultures, two styles — meeting in one honest, beautiful bag.

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2025/11/22

WORKERS "Pullover BD"

      




<WORKERS >

25FW【ワーカーズ】入荷しました。

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シャツというものは、時々、不思議な役割を果たす。
朝、まだぼんやりした頭で袖を通すと、
自分の輪郭が少しだけ整っていくような感覚がある。
WORKERS の“Pullover BD”は、そんな気配を持ったシャツだ。

もとは Modified BD をベースにしているらしい。
でも、プルオーバーというのは前が開かないぶん、
そのままだと少し息苦しい。
だからウェストの絞りを弱くして、
胴まわりにゆとりをもたせるように調整してある。
まるで、着る人の呼吸のリズムを尊重しているかのようだ。

仕上がりは NW、つまり洗いなし。
サンプルは OW で天日干しされているそうだが、
どの生地も大きな縮みはないという。
そう聞くと、なんだか安心して着続けられる気がする。

シャツ一枚にも、思いのほか小さな物語が潜んでいる。

It looks simple at first glance—just a pullover BD shirt.
But when you slip it on, you notice the quiet adjustments.
The waist is eased, the body has a calm spaciousness,
and the pattern is tuned so you can move without feeling trapped.

Delivered in a no-wash state, the shirt will slowly settle into your life.
Each fabric has almost no shrinkage—just a gentle shift,
like the way small things change without you noticing.

A shirt made for everyday moments,
where comfort meets a quiet kind of beauty.

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2025/11/21

WORKERS "Trico Tag Sweat Crew"

      




<WORKERS >

25FW【ワーカーズ】入荷しました。

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WORKERS のスウェット。

元ネタはトリコタグの横取り、いわゆるリバースタイプ。

本家は化繊入りで、あの独特の「カサッ」とした質感だけど、WORKERS はそこをあえて外す。表30番・中30番・裏7番のコットン100%。

裏ループを短く編んで起毛。これだけで冬用スウェットとして十分。

見た目はクラシック、でも着るとしっかり暖かい。そんな一枚。


The WORKERS sweatshirt is inspired by the classic “tricolor tag” era.

The body is cut horizontally, following the classic reverse-weave style.

While the original uses a synthetic blend with a dry, slightly crisp texture, WORKERS takes a different path: 100% cotton — 30/1 on the face, 30/1 in the middle, and 7 on the back.

The loops on the inside are knitted shorter and then brushed, giving it real warmth for winter.

A simple, classic sweatshirt — but built seriously for cold weather.

〒892-0846 鹿児島市加治屋町1-9 第二柿本寺ビル 1F
Tel:099-239-1515

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生活と、道具としての服。|第2回「『普通』の素材が持つ、本当の強さ」

CAPE COD CLOTHING STORE の店主です。 洋服屋を開業して30年。57歳になった今、自分が店に並べているもの、そして日々身に纏っているものについて、改めて言葉にしてみたいと思いました。 これは、ファッションというよりは、僕の「生活と仕事」の記録のようなものです...