2026/01/12

生活と、道具としての服。|第1回「駅ビルで見つけた、遠い国の服のこと。」


CAPE COD CLOTHING STORE の店主、榊です。

洋服屋を開業して30年。57歳になった今、自分が店に並べているもの、そして日々身に纏っているものについて、改めて言葉にしてみたいと思いました。

これは、ファッションというよりは、僕の「生活と仕事」の記録のようなものです。全4回に分けてお届けします。少しの間、お付き合いいただければ幸いです。


先日、用事があって久しぶりに駅ビルの大きなセレクトショップを覗いてみた。 フロアを一周してみると、そこには整然と、非の打ち所がないほど「よく出来た服」が並んでいる。今の空気感を掴むのが本当に上手いな、と正直に感心した。否定するつもりなんて毛頭ないけれど、鏡に映る自分の姿を想像したとき、どこか遠い国の出来事のように感じてしまったのも事実だ。

僕の一日は、朝、店のシャッターを開けることから始まる。 午前中はオンラインショップの出荷作業。昼過ぎには仕入れや雑務で、街を自転車で移動する。夕方になれば、店の奥にある「Backyard Bar」の仕込みが待っている。重い酒瓶を運び、カウンターを拭き、夜が深まればグラスを洗う。

結局、僕の一日はずっと、デスクワークとバーカウンターでの立ち仕事。 ブルーカラーとホワイトカラーが混ざり合ったような、そんな日常だ。 そうなると、服に求めるのは「デザイナーの思想」よりも「道具としての馴染み」になる。

駅ビルで感じたあの小さな違和感。 それは、今のマーケットが抱える、ある「まやかし」に繋がっているのかもしれない。

(第2回「『普通』の素材が持つ、本当の強さ」へ続く)


Today's Setup(最近はこんな格好です。)

  • Vest: CMF OUTDOOR GARMENT "ALPHA DIRECT SIMPLE VEST"

  • Shirt: Chambray Work Shirt

  • T-shirt: 1 Pocket White T-shirt

  • Pants: Fine Corduroy Easy Pants

  • Shoes: DANNER "Military Trainer"


SHOP INFORMATION

「生活の痕跡」を刻めるような、丈夫で誠実な道具としての服をセレクトしています。店の奥では、夕方から「Backyard Bar」を営んでいます。グラスを傾けながら、あるいは棚を眺めながら。静かな時間をお過ごしください。

Address: 鹿児島市加治屋町1−9 第二柿本寺ビル ■ Cape Cod Clothing Store: 14:00 - 19:00  Instagram: @capecodstore ■ Backyard Bar: 14:00 - 1:00  Instagram: @backyardbarkagoshima ■ Online Store: https://capecodstore.thebase.in/ 

生活と、道具としての服。|第1回「駅ビルで見つけた、遠い国の服のこと。」

CAPE COD CLOTHING STORE の店主、榊です。 洋服屋を開業して30年。57歳になった今、自分が店に並べているもの、そして日々身に纏っているものについて、改めて言葉にしてみたいと思いました。 これは、ファッションというよりは、僕の「生活と仕事」の記録のようなも...